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TACAS™ News

HPV検査 No.2
TACAS Amberを用いたHCⅡ測定時の検体保存性

液状化検体細胞診 (LBC) の特徴の一つとして、細胞診標本作製後、同一検体から他の検査を実施できることが挙げられる。
ヒトパピローマウイルス (HPV) 検出キットHPV DNA「キアゲン」HCⅡ (QIAGEN 社)( 以下HCⅡ)は、ハイリスクHPV のスクリーニング検査法である。TACAS 検体からHC Ⅱ検査が可能かどうか、また、培養細胞および臨床検体での保存性を検討し、30℃で4 週間のHPV-DNA の保存性が確認された(TACAS News HPV 検査No.1 参照)。

HPV-DNA 検査は細胞診標本作製後に実施されることが多い。標本作製後は、脱イオン水で細胞が懸濁されているが、この状態では検体の保存性を維持できない。
そこで、TACAS 標本作製後の細胞懸濁液にTACAS Amber を添加した後にHC Ⅱ検査を実施した際のHPV-DNA の保存性を培養細胞および臨床検体を用いて検討した。

【検討方法】
◯培養細胞を用いた検討
  1. TACAS GYN Vial に培養細胞SiHa を105 copies/mL の濃度で固定
  2. バイアル法にてTACAS 標本作製後、細胞懸濁液にTACAS Amber 4 mL を添加
  3. 30℃で5 日、1 週間、2 週間、3 週間保存し、HC Ⅱ検査を実施
  4. 検査フロー※
    1. ① 細胞懸濁液2 mL を遠心(2,900 g × 15 分)
    2. ② 上清をデカントで除き、チューブを再度遠心
    3. ③ 上清を完全に取り除く
    4. ④ HCⅡ用検体輸送液:アルカリ変性試薬= 2:1 で混和し、250µL 添加
    5. ⑤ 65℃・45 分インキュベーション
    6. ⑥ スピンダウン後、75µL を用いHCⅡ測定を実施
  5. 判定:Index 値1.0 以上を陽性とする


◯臨床検体を用いた検討
  1. 培養細胞の保存性を確認後、臨床検体を用いた保存性試験を実施
  2. Cervex-ブラシ COMBI で膣頚部より擦過採取した細胞をTACAS GYN Vial中に固定し、30℃で保存
  3. 1 日、2 週間、4 週間後に保存サンプル2 mL を分取してHCⅡ検査を実施 (検査フローは、上記4 参照)
  4. 判定:Index 値1.0 以上を陽性とする

【結果】

培養細胞で、30℃・3 週間の保存性が確認された。



31 例の臨床検体(7 例が陽性)で、30℃・4 週間の保存性が確認された。



TACAS GYN Vial 検体をバイアル法にて標本作製後、細胞懸濁液にTACAS Amber を 4 mL 添加することで、引き続きHPV DNA「キアゲン」HC II 検査を実施することが可能である。

※ 民間検査センターAにて実施しており、他民間検査センターの方法については各センターへご確認ください。

引用: Etsuko Futaya, Masayoshi Takahashi「TACAS PERFORMANCE FOR RECOVERY TEST OF ATYPICAL CELL AND HPV DNA TESTING」 日本臨床細胞学会雑誌:補冊2号. H9: 724 (2010)


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